2026年2月02日
イソトレチノインとは
イソトレチノインはビタミンAの誘導体であり、主にニキビ・ニキビ跡、脂腺増殖症に、時に脂性肌などにアプローチする内服薬です。
米国などではニキビで保険診療で使われている薬ですが、日本では公的医療保険が適用されていないため保険外診療になります。
肌質改善ができる薬のため、対症療法ではなく、根治を目指せる薬になります。
「イソトレチノン?聞いたことないなあ。」
「興味はあるけど保険外診療だとどうなのかあ。」
そんなふうに思っている方もいるのではないでしょうか。
「保険診療でニキビ治療をしているけど一進一退だなあ。」
「最短コースでニキビをできにくくしたいなあ。」
「以前顔のできものを脂腺増殖症と診断されたけど、あまり跡を残さず消したいなあ。」
そう思っている方もいるかもしれません。
米国などでは保険診療として使われているくらいなので、
正しい使い方をすればニキビ治療においてとても効果があり強い味方となってくれる治療です。
ここではイソトレチノインの効果、治療、注意点などについて紹介します。
イソトレチノインの効果について
イソトレチノインは「皮脂の分泌抑制」、「毛穴炎症の抑制」、「毛穴の詰まり解消」という効果が期待できます。
皮脂の分泌抑制
顔には脂腺という皮脂を出す器官が全身の中でも特に多くある部位です。
イソトレチノインはその脂腺を縮小させる作用があります。ニキビは他のコラムでも解説したように、皮脂の過剰分泌が最も大きな要因です。(ニキビの原因・症状・治療は?|やぎさわファミリー皮膚科|一般皮膚科・小児皮膚科・美容皮膚科)
イソトレチノインにより脂腺が小さくなり、その結果皮脂の分泌量の減少が期待できます。また皮脂のあまり作られなくなることでそれ以上毛穴に脂が溜まりにくくなり、脂が溜まっているニキビ跡の膨らみも小さくなっていきます。
毛穴の炎症抑制
炎症反応があると、肌に赤みが出やすく、赤みやニキビ跡が残りやすい状態になります。
イソトレチノインは抗炎症作用も期待できます。
毛穴の炎症を抑えることで、ニキビでの赤み軽減効果も期待できます。
毛穴の詰まり解消
毛穴の異常(角化異常)があると、毛穴が角栓(ケラチン物質)で詰まりやすくなり、その角栓が酸化することで黒ずみが目立ちやすくなります。
イソトレチノインにより毛穴に角栓が詰まりにくい肌状態を目指せるようになります。
イソトレチノインの治療について
当院ではイソトレチノイン(アクネトール)を20㎎錠でご用意しております。
1日1回食後に1錠内服してください。
内服期間は体重によりますが、ニキビでは1年程度の内服をお勧めしております。
副作用や費用が問題なければまずは6か月内服してみましょう。
(脂腺増殖症では2~6か月で改善することが多いです。)
効果の実感は、最初の1~2か月で感じることがほとんどです。
公的医療保険が適用されない保険外診療になり、下記費用がかかります。
イソトレチノイン(アクネトール)30錠/月 16500円
採血 3300円
イソトレチノインの注意点について
イソトレチノインはニキビ治療において大きな選択肢の一つではありますが、すべての薬には副作用の可能性もあります。ここではその注意点の中でもメジャーなものについて解説します。
乾燥
脂腺からの皮脂分泌が抑制される反面、乾燥が出やすくなります。口唇の乾燥は多くの人で自覚されます。
鼻粘膜が乾燥することで花粉症などで鼻をかむ際に軽度の血が混じることがあります。時にドライアイを自覚されることもあります。
乾燥はでるものの保湿剤での対応で問題ないことが多く、また効果実感のメリットを感じることが多く継続する方が多いです。
定期採血の必要性
薬はほとんどの場合腎臓か肝臓で代謝されます。イソトレチノインは肝臓で代謝されるため、肝臓の値や中性脂肪などが上昇していないかどうかを定期的に確認しないといけません。
身長が止まります。
骨端線が閉じてしまうため身長が止まってしまいます。
当院では18歳以上での内服をお勧めしています。18歳以上でも身長がまだ伸びている方は、伸びきってからの内服開始ご検討していただいています。
催奇形性
イソトレチノインを内服している最中、また内服後数カ月は男女ともに催奇形性があります。つまり妊娠してしまうと奇形を持つ子供が産まれる確率が上がる可能性があります。
そのため妊娠をしている可能性がある女性や、近いうちに子供を考えている方(男女とも)、献血もできなくなりますのでそれらに該当する方においては他のアプローチでのニキビ治療を考えた方が良いでしょう。
その他
大豆アレルギーの方、テトラサイクリン系の抗菌薬やてんかん治療薬との飲み合わせや、うつ病などの精神疾患との関連においては内服が難しい場合が多いです。
内服開始時には同意書に署名を頂きます。その際にこれらの注意点の説明や、同意書にその旨も記載させて頂いております。診察時に質問があれば聞いていただければと思います。
これら注意点はありますが、多くの場合は問題なく内服し続けられます。
保険診療では手の届かない場合の、肌質改善・根治治療における大きな選択肢となります。